転職体験記④ CSOへの挑戦

CSO会社と話し合ったうえで、受験することになりました。

 

その前にCSOについてご紹介致します。

 

 

CSO会社の正社員として、メーカーに派遣され

 

メーカーのMRとして活動します。

 

CSOのMRは一見医師やMSは勿論、MRからも分かりません。

 

ネームプレートに、名刺も何ら変わりは有りません。

 

転職が珍しくないMRであれば、前職は○○におりましたと言えば

 

それで済む話です。異業種から来ましたというMRもおります。

 

ですが、本人にはCSOであることは守秘する義務があります。

 

故にどれくらいいるのか?誰なのか?も正確に分からないものです。

 

時に数字に困ったMRが、実はCSOなんです。

 

ノルマを達成しないと首になってしまいますと泣きを入れている姿があります。

 

これには得意先も心を打たれるものですが、これはマナー違反の様子です。

 

 

CSOのビジネスモデルはあくまで現場にMRを派遣し

 

その紹介料を頂く、という事は間違いありません。

 

それに加えて、現在は転籍させることにより移籍料のようなものを

 

支払うモデルもある様子です。

 

ここは転職エージェントの手数料と変わりは有りません。

 

それではなぜ自社で賄わないのか?外部受託するとコスト増加では?

 

様々な疑問がございます。

 

それは増員することなく、既存事業に新規事業を上乗せすることができる。

 

そしてのちに既存事業を維持しつつ新規事業を伸ばすことができる。

 

そうです、新製品へのシフトチェンジをする際の潤滑油にあたります。

 

 

かつては欠員や産休の穴埋めなどがメインでしたが

 

現在はかなり変わってきている様子です。

 

 

受験日程は割と簡単に決まりました。

 

多数の課題や申請書の記載、そして筆記試験と面接です。

 

自己アピールシート等がございましたがその量が多く

 

仕事を抱えながらの書類作成は厳しいものが有りました。

 

そして何とか面接にこぎつけました。

 

 

面接では一般的な質問に加え、即戦力として何ができるか?

 

それがメインに問われました、

 

KOL対応の経験は?

 

IRB通過の経験は?

 

基幹病院にて採用させた薬剤の数は?

 

そしてCSOについてどう思う?MRとの違いは?

 

この様な質問でした。

 

 

最後の質問である、CSOとMRの違いについて

 

答えは多数あると思いますが、2つの会社に所属し、2つの評価を受けるという

 

ビジネスモデルとしては今まで聞いたことがないケースでした。

 

提出物や日報なども2倍あるのですから。

 

面接そのものはすぐに終わり、あっさり内定の結果が来ました。

 

 

受験した感想ですが、あくまで必要なのはプレイヤーの能力であり

 

マネジメントの経験はアピールポイントにはならない様子です。

 

またプライマリーは相当厳しくみられているなと思いました。

 

大学担当かつ専門領域の経験があって、

 

初めてCSO側から見て価値のある人材とみられているのは感じました。

 

 

肝心の給与ベースは前職の源泉徴収を参考にしていた様子ですが

 

勿論会社によって違いは有ると思います。

 

が、ここまでが第一ラウンドです。

 

もちろん内定は頂きましたが、まだ採用ではありません。

 

派遣先が決定して、初めて採用となります。

 

 

書類提出と職場見学会

 

 

内定後、提出した書類を元に名前等を隠した推薦状が作成され

 

派遣先へ提出されます。

 

ここからの流れですが

 

1、書類が不採用 → 次のプロジェクトへ仕切り直し

 

2、書類が採用 → 職場見学会となります。

 

職場見学会と言っても、内覧会のようなものではありません。

 

名前を変えた、いわば最終面接です。

 

そして、職場見学会にて合格通知が来た際にはMRはめでたく採用となります。

 

 

ですが、もう一つの面があります。

 

それは合格したMRに内定辞退の権限は有りません。

 

そうです、職場見学会に参加するときはCSO会社の正社員として受験します。

 

まだ籍は前職の製薬会社にあるのにも関わらずです。

 

 

新卒も中途も面接は明らかに企業側が有利であることは変わりないんですが

 

受験する側の唯一の権利として、内定辞退があります。

 

面接した結果、やはり行きたい会社じゃなかったとか

 

この条件であれば行くことが自分にとってマイナスになるとか

 

それを通すことができます。

 

が、CSOの場合はそれができません。

 

これはかなり大きなギャンブルであるかもしれません。

 

 

 

またMRは全国勤務可能が採用の条件ですが

 

CSOは勤務地を選ぶことができるとの噂があると思われます。

 

結論から言えば、それは事実です。

 

ただし採用枠は「契約社員」となります。

 

給与ベースも大幅に下がることになります。

 

 

ただ、CSOの人事も人間ですし、案件を選ぶこともできます。

 

ここは人事と相談が必要なのかもしれません。

 

実際に私は家庭の事情から居住地を変えない事が案件の第一でした。

 

これはプロジェクト次第と感じました。

 

 

結果として、私は第一志望のプロジェクトに落選しました。

 

恥ずかしながら書類すら通過しませんでした。

 

不採用理由は、プライマリーしかできない32歳だったからです。

 

 

唖然としましたし、不採用通知は新卒の時以来でしたので

 

さすがに凹みました。

 

人事はミスマッチだった、君の力不足ではないと言って頂きましたが

 

とにかく早く転職したかった私は焦っておりました。

 

 

次の案件が幾つか提示されましたが、現在の課題を解決できるものは

 

正直見つかりませんでした。

 

レッドオーシャンにて戦わなければならない会社や

 

外資系の専門領域プロジェクトばかりでした。

 

いわばプライマリしかできない私には、課題は解決できない様子です。

 

 

私はCSOをあきらめることにしました。

 

そして一度踏みとどまって考えることにしました。

 

 

もちろん結果論ですが、そのまま続けていたらどうだったのか

 

考えることも有ります。

 

しかし、今は良かったと思えております。

 

上手くいかないことが有っても、それも次に繋がる経験です。