転職体験記⑧ 医療機器営業って
MRをやっていると医療機器は近いようで遠い業界です。
確かに病院に行くと、スーツの人ですれ違う人がいますが
MRで無い事は何と無く分かるんです。
これは口では表せませんが、感でわかります。
雰囲気がとにかく違うのです。
MRがビシッとスーツの上下で決めているのに
医療機器ってジャケットにノーネクタイも結構多いんです。
中にはポロシャツの人もいます。
確かに何よりもたまに病院で見かけますが、
医局前にて立って待っているイメージはありません。
勿論新人の頃の就職活動にて一度も検討したこともありません。
そのような業界でした。
そもそも医療機器って何なのか?CTやMRIはイメージできますが
初めて知ることだらけでした。
①医薬品に比べてべらぼうに種類が多いこと。
→正確な数は分かりませんが、後発品を除くと15万の医薬品に対し
医療機器は約60万種類 約4倍と言われております。
②種類が多いため一般的には「ディーラー」を介して販売していること。
→医療機器では「卸・MS」とは言いません。
代理店やディーラーと呼び、セールスと言われます。
勿論直接販売しているメーカーも有ります。
③メガネやコンタクトレンズも医療機器であること。
眼鏡を調整するピンセットも医療機器です。
消耗品の手袋やガウンも勿論医療機器です。
④日本は医薬品同様に世界第二位の市場であること
日本は完全な輸入超過であること。
→これも医薬品業界そのままです。
外資にとっては格好の市場ですね。
⑤保険制度の問題が付きまとう
医薬品でいう薬価が、医療機器では償還価格です。
勿論決定権は国にあります。
やり玉は間違いなく医薬品ですが、
医療機器も同じ傾向があります。
⑥日本は診断機器に強く、外資は治療機器に強い。
リスクに対して踏み込むことを恐れる
日本らしいなと思います。
革新的な医薬品もほとんど外資ですし。
⑦同じくPMDAの審査が承認条件であり、
→お察しの通り、日本は大幅に遅れている。
⑧そして治療行為をする人、受ける人が対象であること。
→MRは医療関係者(治療行為をする人)のみですが
医療機器は「立ち合い」といい患者に対して接することが有ります。
これがMRとの決定的な違いでした。
簡単にまとめてみました。
近いようで遠い業界でしたが、
よくよく考えてみましたら
遠いようで近い業界かもしれません。
これはMRの経験を活かせるかもしれない、
いやむしろMRだからこそわかることも多い。
医療の基礎を理解している。
営業の基礎を理解している。
しかし専門性が無い。
今までのベースを活かしつつ
より患者に近い場所にいられる。
高い専門性を身に着けることができる。
課題も解決できるかもしれない。
給与は・・・これはピンキリでした。
医薬品ほどで無いにしろ、相当な額でした。
勿論顧客がヘルスケアであることは変わりないのですから。
そして会社規模は驚いたのですが
100人未満の企業が大半を占めます。
大半がまさに中小企業です。
理由ですが、先ほど60万品目と申し上げましたが
医薬品に比べ数も多く、専門分野も多くなります。
故にとある専門分野にてシェア100%を誇り
1品目で経営している会社もあります。
医薬品であればバイオベンチャーというのでしょうか?
医薬品だからこそ珍しいものではありましたが
医療機器ではそれが普通です。
従業員100人未満という事は
多くても営業は50人です。
1人で1県カバーすることなど普通です。
私もかつて全国一広いエリアを担当しておりましたが
上には上がいるのだなと思ったものです。
この様に調べれば調べるほど、
知らなかったことも有り、ますます興味が湧いてきました。
ここしかない。
医療に関わり続けたい。
そうだ、課題を解決できるのなら
やってみようと。
1月何日か忘れましたが、正月の決断でした。